人気ブログランキング | 話題のタグを見る

活字萬年堂



焼肉

 土曜日なのに会社に出社、会社で日記更新、東京は悲しみの雨の中。こんにちは、明日はジョハーとザッツザプレンティのへんしゅうちょうです。

 今日はこれから焼肉を食べに行きます。昨日のメントレに影響されたわけではありません。牛タンなんて食べません。ええ、決して。

~~~~~~~

 大学生の頃、はじめて中国を旅行したとき、旅行中に知り合った2人に焼肉屋に連れていってもらった。2人とも日本人留学生で、去年も今年も夏休みを利用して語学留学に来たのだという。その大学の近くには朝鮮人街のようなところがあって、中国だというのにハングルが幅をきかせていた。連れていってもらった店もそこにあった。中国に来たばかりなので中華料理を食べたいと思ったが、気が弱い僕は何も言わずについていった。
 ビニールシートの暖簾をくぐると、客は誰もいない。混んでいる店はうまい店、という考え方があるが、その考え方からすればこの店はうまいということはなさそうだ。僕は少しあきらめつつ席についた。中国語を話せない僕を無視して、2人は勝手に注文した。2人は、去年もこの店で焼肉を食べてそのときと同じものを注文したこと、そして去年はかわいい女の子の店員がいたことを話してくれた。
 肉が出てきた。どうやらかわいい女の子というのは、いま肉を持ってきてくれた女の子らしい。2人のうちのひとりが、女の子に「おぼえてますか? 去年も来たんですけど」というようなことを中国語で聞いたようだった。女の子は笑顔で首を縦にふる。僕は、そんなの嘘だろう、1年の間に何人も客は来ているはずなのに、おぼえているわけがない、と思っていると、女の子が中国語で話しはじめた。僕以外の2人を交互に指差し、笑顔で話している。2人もこれ以上ない笑顔で話している。
 女の子が厨房にさがると、2人は女の子との会話の内容を僕に教えてくれた。彼女は2人のことをおぼえていてくれて、去年も2人で同じものを注文したことまでおぼえていたという。そして、去年よりも中国語が上手になりましたね、と言っていたそうだ。2人は本当にうれしかったようだ。
 もしかしたら、もしかしたら、彼女がおぼえていたというのは嘘なのかもしれない。客にあわせて話していたら、偶然にも過去と一致しただけなのかもしれない。それが嘘か本当かは知る術もないが、2人が楽しく焼肉を食べられたのは間違いのない事実だ。僕は中国での最初の食事がここでよかったと思った。肉がおいしかったのかどうかはおぼえていない。しかし、この会話だけはしっかりとおぼえている。盛大ではないが、これは中国が僕を歓迎してくれているのかもしれない、と勝手に思った。

~~~~~~~

 今日は牛角。たぶん日本は僕を営業スマイルで歓迎してくれるでしょう。


【コメント】

Re:焼肉(11/29) 2046さん
中国の方って本当に顔を覚えていると思いますよ。
滅多に行かない食堂で、この前と同じものを頼もうとすると、「それはこの前と一緒だから、こっちにすれば?」と言われることがあります。
私は顔とか名前とか覚えるのが苦手なので、「え?」って感じ。
記憶力が良いのか?それは商売のコツかのか??(2003年12月01日 15時43分37秒)


Re:Re:焼肉(11/29) へんしゅうちょうさん
2046さん
>中国の方って本当に顔を覚えていると思いますよ。
滅多に行かない食堂で、この前と同じものを頼もうとすると、「それはこの前と一緒だから、こっちにすれば?」と言われることがあります。
私は顔とか名前とか覚えるのが苦手なので、「え?」って感じ。
記憶力が良いのか?それは商売のコツかのか??
-----

 僕は学生時代飲食店でアルバイトをしていたのですが、なかなか常連さんの顔とメニューを覚えられませんでしたねぇ。1年経ったらなんとか覚えられましたけど(遅ぇよ!by○村)(2003年12月02日 00時37分08秒)
by editor_in_chief | 2003-11-29 02:59 | 留学準備(成都世界)
<< 中国を感じるモノ(その2) ヒマな時間 >>


寒くなってきましたね。 editor_in_chief@excite.co.jp

by editor_in_chief
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
お気に入りブログ
Blog Links
検索
以前の記事
タグ
最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧